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ブルガダ型心電図といわれたら?

 市や会社の健康診断で心電図検査を受けた際、「ブルガダ型心電図」と、聞きなれない所見が書かれていたことはありませんか? 最近、インターネットなどで検索して、「ブルガダ症候群=致死的な不整脈」などと書かれたサイトをみつけて、驚いて受診される方がいらっしゃいます。しかし、ブルガダ型心電図とブルガダ症候群は厳密には同じではありません。


 ブルガダ症候群は1992年にBrugadaらによって報告された不整脈で、発作が起こると心臓が痙攣状態(心室細動)になるため、直ちに処置を受けなければ死に至ることもあります。ブルガダ症候群は、東洋人の男性に多く、その発作がおこる年代は40~60歳が多いようです。ふつうに生活して夜眠った人が睡眠中に発作を起こし、翌朝突然死として発見されることもあるため、ポックリ病とも呼ばれていた病気の一つと考えられています。


 ブルガダ型の心電図変化は、日本人の健康診断で0.02~0.1%に認められます。最近は研究が進み、そのうち大部分の人はブルガダ症候群のような発作は起こさないことがわかってきました。ただし、血縁者に60歳以下で突然死した人がいたり、過去に原因不明の失神を起こしたことがある人の中には、発作を起こす危険率が高い場合があります。心電図の形によっても危険率が異なり、「ブルガダ型心電図」を示した人の中で0.2~4%の確率ではありますが、重大な発作に至る人がいることも確かです。ブルガダ型心電図の大部分の人は、特に治療の必要はありませんが、その判断については必ず医師に相談するようにしてください。


 健康診断で「ブルガダ型心電図」と判定されていても、いたずらに恐れる必要はありません。落ち着いて、まずはかかりつけ医、またはお近くの循環器内科クリニックなどでご相談いただきたいと思います。


玉川学園診療所 庭野 裕恵 先生

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