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意外と知らない点眼薬のこと
意外と知らない点眼薬について教えたいと思います。点眼薬と聞くと『なんだ、めぐすりか。』と思われる方がほとんどだと思います。しかし侮ってはいけません。目薬をうまくつけられない方や、回数を多くしている方、結構いますよ。今回は点眼薬自体の基礎的なことです。
① 点眼薬の1滴は40ul
点眼薬の1滴は約40ul(マイクロリットル)ですが、瓶の口の構造により30~70ulと変動します。同じ回数を点眼している目薬が2つ(Aという点眼薬と、Bとういう点眼薬)があって、同時に使い始めても、どちらか先に無くなることはあります。
② 点眼薬は1滴で十分
点眼したものが目にたまる量は決まっており、約30ulです。点眼薬の1滴は約40ulですので、目に1滴入れば十分で、1滴でさえもこぼれる計算です。よく1回に2滴、3滴使用する方がいますが、確実に1滴で点眼できていれば、2滴目以降は、水が満タンのコップにさらに水を継ぎ足しているのと同じで、全部こぼれてしまいます。
③ 1日4回両眼点眼する場合、目薬1本はだいたい2週間もつ
眼科医が処方する点眼薬はだいたい5mlです。1ml=1000ulなので、点眼1滴を40ulとすると、5mlの点眼瓶1本は5000÷40=125、つまり125滴分あります。
1日4回片眼点眼する場合は125÷4=31.25
1日4回両眼点眼する場合は125÷(4+4)=15.6
つまり5mlの点眼薬を1日4回両眼点眼する場合、約2週間はもつことになり、1か月に2本必要になる計算となります。また片眼点眼する場合は、約1月もつことになります。ただし、1回につき2滴、3滴点眼すると減るのは早いです。つけすぎると目の周りに点眼薬の成分が付着し、炎症を起こし、ただれてしまうケースがありますので、注意しましょう。
町田胃腸病院 眼科 早川 賢治 先生