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脳梗塞は“時間との勝負”

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脳梗塞は“時間との勝負”

 脳梗塞とは、脳の血管が詰まって血流が途絶え、組織が壊死をする、命の危険に直結する重大疾患です。また、もし命が助かったとしても、麻痺など重大な後遺症が残ることもある病気です。しかし、脳梗塞の発作が起きた際に迅速な初期対応を行うことができれば、命を取り留めることも十分可能な病気といえます。


 脳梗塞の発作から数分で脳細胞の壊死が始まり、時間が経つほどダメージは広がります。ただ、発症から4時間半以内にt-PAという血栓溶解剤を静脈に注射できれば、約4割が後遺症をほぼ残さないレベルへの回復が可能です。また、t-PA療法が難しい場合でも8時間以内にカテーテルでの血管内治療ができれば、命を救える可能性があります。
 まさに脳梗塞は“時間との勝負”なのです。


 では、どういう場合が脳梗塞となるのでしょうか。米国脳卒中協会が提唱する「ACT-FAST」と呼ばれるセルフチェックをご紹介します。


 F=Face(顔)・・・笑顔を作ったときに、左右の口角が同じ程度上がるかどうかを確認する。脳に異常があると片側の口角が上がらず、よだれが流れ落ちることがある。
 A=Arm(腕)・・・両腕を伸ばして、床と水平になるように挙げる。脳梗塞による麻痺があると、麻痺した側の腕が挙がらない。
 S=Speech(話し方)・・・ろれつが回らない、言葉がでないなどの言語障害があれば、脳梗塞による麻痺が疑われる。
 T=Time(時間)・・・以上三つの中の一つでも当てはまるときは、脳梗塞を含む脳卒中の可能性があるので、一刻も早く救急要請する。この時、症状が出た時刻を確認し、救急隊や医師に伝える。


 ただ、一人暮らしの方など、発作が起きた際まわりに通報をしてくれる方がいない場合もあると思います。その場合でも決してあきらめず通報を行ってください。受話器を外して“119”を押しさえすれば、通報者が何らかの理由で話すことができないと判断し、受話器をたたくなどの対応によって住所や状況を特定できる可能性があるのです。
 万が一の時には、「まずは電話」「とにかく電話」、そして「あきらめない」ということを覚えておいていただければと思います。


なかはら脳神経クリニック 中原 邦晶 先生

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