身近な医療情報
ケガをしてしまったら!?
どなたでも日常生活の中で、あるいは仕事中にケガをした経験があると思います。すり傷(擦過創)、切り傷(切創)、咬み傷(咬創)、やけど(熱傷)などです。
以前では、傷ができたらまず消毒し、ガーゼを当てて乾かして治す。カサブタを作って治すといった方法が一般的でしたが、キズは湿らせて治す方が早く治る事が研究で分かってきましたので、湿潤環境で治す方法が現在では一般的になっています。この考えを元にして様々な創傷被覆材が作られています。
では、キズができてしまった場合、どのようにすればいいのでしょう。
☆まずはよく洗いましょう。
キズについている血や汚れを水道水でよく洗うことで、細菌を減らしておくことが大切になってきます。消毒は細菌を壊しますが、キズを治す細胞も同時に壊してしまうので、必要がなければ行いません。
☆湿潤環境を保ちましょう。
キズができた部分からは、ジュクジュクした液体が出てきます。この液体は浸出液といって、中にはキズを治す細胞がたくさん存在します。そのため、浸出液で覆われた湿潤環境を維持することが、キズを治りやすくする事になります。
最初のうちは浸出液も多いため、交換の回数が多いと思います。交換の度に洗い、キズの状態を観察して下さい。キズの部分が赤く、腫れて痛くなり、時には熱っぽくなることがあります。このような場合は化膿しているので、早めに医療機関を受診しましょう。また、このような状態でなくても、不安があれば受診して下さい。
状態にもよりますが、キズは早く治すことにより傷痕が目立ちにくくなります。適切な処置を行って、キレイな傷痕にしましょう。
あとう皮膚科・形成外科クリニック 阿藤 晃一 先生