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今知っておきたい新型コロナワクチンの違いについて
中国の武漢で最初に流行した新型コロナ感染症は、日本でも2020年1月頃より感染者が増え、2021年6月の段階でも感染収束の見通しは立っていません。そんな中、日本でもようやく新型コロナワクチンの接種が医療従事者、高齢者から始まっています。
新しいワクチンなので分かりにくい事も多いと思いますので、今回はその違いをまとめてみたいと思います。
2021年6月現在、日本で承認されている新型コロナワクチンは、ファイザー社、モデルナ社、アストラゼネカ社の3種類が承認されています。それぞれ違いがありますので、表にして説明します。
【各社の新型コロナワクチンの特徴(筆者改変)2 】
ファイザー社 (コミナティ筋注) |
モデルナ社 (モデルナ筋注) |
アストラゼネカ社 (バキスゼブリア筋注) |
|
種類 | メッセンジャーRNA ワクチン |
メッセンジャーRNA ワクチン |
ウィルスベクター ワクチン |
発症予防効果 (有効性) |
94.60% | 94.10% | 70.40% |
接種スケジュール | 3週間隔 2回 | 4週間隔 2回 | 4~12週間隔 2回 |
よくある副反応 | 接種部位の痛み、倦怠感、頭痛、発熱 | ||
まれな副反応 | アナフィラキシー (100万回あたり 4.7~11.1回 0.0011%程度) |
アナフィラキシー (100万回あたり2~2.5回 0.00025%程度) モデルナアーム(接種後5~9日で腕が赤くなる) (100万回あたり約8000人 0.8%程度) |
血小板減少を伴う血栓症 (100万回あたり4~10.9人 0.001%程度) |
ファイザー社とモデルナ社のワクチンは、いずれもメッセンジャーRNAワクチンで、高い予防効果を示しています。今話題のイギリス株やインド株の変異株にも一定の十分な効果を示すという結果が出ています。これまでのワクチンに比べて副反応はやや多いですが、有効性とのバランスを考えると接種しない理由は見当たりません。また、このワクチンは2回打つことで十分な効果が期待できます。接種期間が少し過ぎてしまっても2回目を打つことで十分な効果が得られますので、アナフィラキシーなどの重大な副反応が無い限りは2回打ってください。今後も改良されたワクチンが出てくると思われます。ワクチンをきちんと受けて、早く新型コロナ感染症が収束に向かうことを願います。
【参考資料】
(1 忽那 賢志. 効果は? 安全性は? 新型コロナワクチンについて知っておきたいこと Q&Aで医師が解説
(2 倉原 優. 3種類の新型コロナワクチン それぞれの違い 2回目の接種日がずれても
大丈夫?
久田内科・呼吸器内科クリニック 久田 淳一郎 先生
【関連リンク】
・厚生労働省「新型コロナワクチンQ&A特設サイト」
・町田市「新型コロナウイルスワクチン接種特設ページ」