子どものやけどを予防するために

　やけどは跡が残ったり、関節の動きに支障が出たり、何よりとても痛いのでできる限り起こしたくないものです。お子さんがやけどをして受診された際、「まさかやけどするとは思わなかった」とおっしゃる親御さんが多いです。やけどを起こしやすい状況を知って対策をとることで、やけどを予防することが重要です。

「テーブルの上のカップ麺や味噌汁に手が届き、倒してしまい熱湯がかかった。」
　台の高さと台の手前から手の届く奥行きを足した距離が、1歳で90cm、2歳で110cm、3歳で120cmと言われています。一般的なダイニングテーブルの高さが70cmほどですので、1歳のお子さんでも台の手前から20cmの距離まで手が届くことになります。テーブルの上に熱い物を置くときにはお子さんの手が届かないように注意しましょう。

「コテや電気ポットのコードを引っ張ってしまい、熱いところを触ってしまった。熱湯がかかった。」
　コテや電気ポットのコード、フライパンの取っ手に手が届いて思わぬやけどをすることがあります。本体に手が届かなくてもコードや取っ手を引っ張ることがないように注意しましょう。

「炊飯器や加湿器の蒸気口に手を置いてやけどした。」
　炊飯器や加湿器の蒸気でやけどをする事故もよく起こります。炊飯器の蒸気口から出る蒸気の温度は99℃にもなります。炊飯器は90cm以上の高さに置くとやけどが起こりにくいと言われています。加湿器はスチーム式（加熱式）の中には熱い蒸気が放出されるタイプがあるため注意が必要です。

　やけどは危険な環境を作らないことで予防することができます。他人事と思わずに、ぜひご自宅の環境をもう一度見直してみてください。

うみまちこどもクリニック　大谷　岳人 先生