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足のつけ根の痛みは整形外科へ

 足のつけ根に痛みを感じたら、整形外科を受診してみて下さい。足のつけ根の痛みでも「うしろ」側の臀(でん)部が痛むか、「まえ」側の鼠径(そけい)部が痛むか、それぞれ考えられる原因が違います。


 足のつけ根の「うしろ」に痛みを感じる時は「坐骨神経痛」という神経痛を考えます。神経痛の原因としては椎間板ヘルニアや背骨の加齢変化など「脊椎疾患」をまずは疑います。神経が背骨周辺でキズつけられることが原因ですが、神経のつながっている広い範囲、臀部だけでなく、太ももや足の先まで痛むことがあるため「お尻や足の痛みなのに背骨の検査?」と不思議がられることもよくあります。


 足のつけ根の「まえ」に痛みを感じる時、若いスポーツ世代では足のつけ根の関節「股関節」を動かす周囲の筋肉などが原因の痛みをまず疑います。壮年期以降では股関節の軟骨などがキズついたことが原因の痛みを疑います。特に女性では効果的に荷重を分散しづらい「形成不全」が股関節で多くみられ、股関節痛のきっかけになると考えられています。


 股関節の異常を太ももやひざあたりの痛みとして感じることがあり、特に小児のひざの痛みの診察では股関節を同時に診察することが定石と言われ、整形外科医にとっては有名です。成人のひざ周辺の痛みでも、ひざの検査がそんなに悪くないのに「痛みが強い、痛みが引かない」などの時には、股関節も調べたり、上記の「坐骨神経痛」が同時にあることも考慮する必要があります(逆に神経痛と思われたものが、ひざや股関節の異常のこともあります)。


 整形外科を受診して痛みの範囲や特徴、関節の動きを診察するだけなく、レントゲンやCT、MRI、超音波などの画像検査を受けてもらえば、診断と適切な治療に結びつけることができます。経過観察の受診をするなかで、検査の追加や症状経過から新たな診断に至ることもあるため、症状が続く場合は再受診することが大切です。


横浜町田関節脊椎病院 宮島 玄陽 先生

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