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手の震えについて知っておきたいこと
皆さん、手が震えることってありますよね?例えば、大事な書類にサインをしようとして手が震えたり、緊張してお箸を持つ手がぶるぶると震えてしまったり。こうした震えは疲れや緊張が原因のこともありますが、それだけではないかもしれません。今日は、手の震えの原因としてよく知られている本態性振戦とパーキンソン病についてお話しします。
本態性振戦という言葉、聞いたことありますか?これは、特に動いているときや緊張しているときに手や腕が震える症状のことです。例えば、コーヒーカップを持つ手が震えたり、字を書こうとして手がうまく動かないことがあります。遺伝が関係していることが多く、家族に同じ症状を持つ方がいるかもしれません。軽い場合は特に問題ありませんが、ひどくなると日常生活が大変になりますね。内服治療や生活習慣の工夫で改善できることもあります。
パーキンソン病は、少し聞き慣れないかもしれませんが、中枢神経系の病気で、手の震え以外にも筋肉がこわばったり、動きが遅くなったりします。特に、何もしていないときに手や指が震える「安静時振戦」が特徴です。この病気は脳の中でドーパミンという物質が不足することで起こるとされています。
いずれも、時には手の震えの症状だけでは区別がつかないこともあります。他の原因の除外も含めて総合的な判断が求められます。手の震えが続いていたり、日常生活に支障をきたしている場合は、神経内科や脳神経外科を標ぼうしているクリニックに相談してみてください。 専門の先生に診てもらうと安心です。
また、通院が難しい方は訪問診療を利用することもできます。訪問診療では、医師がご自宅まで来て診察してくれるので、手の震え以外の体調全般について相談しながら継続的にケアを受けられますよ。身近な症状だからこそ、お困りの場合はぜひ近くの医師にご相談ください。
さんりつ在宅クリニック町田 矢野 祖 先生