町田市医師会ホームページ

月経と体重について

  • HOME »
  • 月経と体重について

身近な医療情報

月経と体重について

 月経は約1か月に一度見られるもので、卵巣から分泌される女性ホルモンの周期的な変化により起こります。性中枢である脳内の視床下部及び下垂体からホルモンが分泌され、それに従い卵巣から女性ホルモンがコントロールされます。月経の周期が39日以上3か月以内の状態を希発月経と言います。月経が3か月以上こない状態のことを続発性無月経といいます。


 体重が短期間に5kg以上減少、または体重の10%以上減少すると無月経になると言われています。この原因の一つとして、脂肪細胞から分泌されるレプチンという物質の分泌低下が関与していると言われています。体重減少により分泌されるレプチンが低下し、レプチンを介した視床下部からのホルモン分泌が抑制されることで無月経となると考えられています。また、その他の摂食関連物質(インスリンなど)や、体重減少によるストレスでコルチゾールの分泌が亢進することも原因の一つと考えられています。


 長期にわたる無月経は、女性ホルモンの分泌が低下し、子宮の萎縮や骨量の減少がおこるため、治療が必要になります。体重が減少していることによる無月経の治療は、まず体重の回復を図ることを優先します。標準体重の90%程度まで体重が回復すると、女性ホルモンの濃度が上昇し、月経が再開すると言われています。特に標準体重の70%以下の体重に減少している状態では、月経が貧血の助長や体力消耗の原因となるので、ホルモン療法による月経の誘導を行わずに体重の回復を優先します。体重が標準体重の90%以上に回復してもすぐに月経が回復せず、2・3年を要することも少なくありません。なかなか月経が再開しない場合にはホルモン療法で月経を起こすようにします。


ひろいウィメンズクリニック 廣井 久彦 先生
(「広報まちだ」2013年9月11日号「健康メモ」より転載)

PAGETOP
Copyright © 町田市医師会 All Rights Reserved.
Powered by WordPress & BizVektor Theme by Vektor,Inc. technology.