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関節リウマチとは? 「リウマチ」とは違う「関節リウマチ」
年齢を重ねると、膝・股関節・腰・手指などが痛み出します。これは、軟骨がすり減る→骨と骨が直接こすれる→骨に擦り傷→運動時に痛むもので、『関節症』と呼ばれ、動かすと痛いのが特徴です。膝関節症、股関節症、指関節症などです。最近、よく耳にする『脊椎管狭窄症』は、首から来る手のしびれ感、痛み(頸椎症)や、腰から来る下半身のしびれ感、痛み(腰椎症、坐骨神経痛)のことを指しています。神経が走行する背骨のトンネルが狭くなる→神経に触る→神経痛が引き起こされます。昔から、関節症も神経痛(脊椎管狭窄症)も、通称は「リウマチ」で、湯治などで癒すと良いとされます。
しかし、『関節リウマチ』はまったく違います。関節リウマチは『関節炎』が多発する手ごわい炎症病です。しびれるのではなく、関節が腫れあがって痛むのです。女性が男性の3~4倍と多く、20~30代での発症も比較的多いです。原因不明ですが、ある種の病的たんぱくが関連しており、リウマチ反応と称されます。全身関節炎が持続して骨や軟骨の吸収反応が起こるため変形・強直(固まる)に至ります。湯治では治りません。また、病的たんぱく質は内臓に炎症を起こすことがあります。関節炎よりも内臓の病状が強く出ているときには『膠原病』と呼ばれます。
さて、関節リウマチ、膠原病は的確に診断することが大事であり、しっかりとした治療(内服や注射や手術)を受けなければいけません。漫然と痛み止めでしのいでもだめなのです。専門的判断のもとに治療を受けるようにして下さい。
いしかわ内科クリニック 石川 章 先生
(「広報まちだ」2015年4月1日号「健康メモ」より転載)