乳がん検診してますか？

　皆さん、乳がん検診はしていますか。日本人の乳がんで亡くなる数は年間約1万3000人で、すべてのがんの中では第５位です。また、30～64歳の働き盛りの女性の、がんによる死亡の第１位になっています。近年増え続けていて、12人に１人が乳がんになると言われています。

　では乳がんとはどんな病気なのでしょうか。
　乳がんの約90％は乳管から発生し、乳管がんと呼ばれます。小葉から発生するものは5～10％あり、小葉がんと呼ばれます。小さいうちに発見されれば治る可能性が高く、早期乳がんは約90％以上治ります。しかし進行がんになると、リンパ節・骨・肺・肝臓と転移し命を脅かすことになります。

　乳がんの主なリスク要因は、初経年齢が早い・閉経年齢が遅い・出産歴がない・初産年齢が遅い・授乳歴がない・閉経後の肥満・飲酒習慣・一親等に乳がんの家族歴がある等が考えられています。

　現在、早期に乳がんを見つけるために乳がん検診が行われています。しかし、日本の乳がん検診の受診率は約23％です。一方、アメリカは72％、イギリスは70％と高く、日本は先進国では最低レベルになっています。町田市の受診率は約14％で、さらに低い値になっています。現在行われている乳がん検診は、医師による視触診とマンモグラフィ検査です。視触診は、くぼみ、ひきつれが無いか確認し、手でしこりが無いか、リンパ節が腫れていないか確認します。マンモグラフィは乳房をプラスチックの板で挟み平たくして、専用のＸ線装置で乳房全体を撮影します。触診等で発見できないしこりや石灰化のある乳がんを発見することができます。早期発見に向け、皆さんも乳がん検診を受けてください。

ミーナ町田ジェイクリニック　陣内　祐二 先生
（「広報まちだ」2015年6月21日号「健康メモ」より転載）