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人工知能と病気-2045年問題

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人工知能と病気-2045年問題

 小さな診療所でもすべての医療機器にコンピュータ・チップ(トランジスタ)が数多く組込まれています。CT、MRI、手術支援ロボット、血液検査装置などはチップの塊です。世界一を誇ったスーパーコンピュータ「京」は、副作用がなくて良く効く抗がん剤を短期間で開発しています。コンピュータ技術は猛烈な速度で進んでおり、歯車を使うアナログ計算機から真空管式、トランジスタ式、集積回路と変わり、計算速度は30年間で3兆倍になりました。


 コンピュータは2進法で計算します。脳もおなじ2進法です。脳細胞の数は約1000億個ですが、コンピュータ・チップのトランジスタはすぐに同じ数になります。その後、コンピュータは勝手に世界中の知識(データ)を集めて取り込みます。YahooやGoogleの検索は既にこの形です。膨大な知識の集積には自然に知恵(認知する能力)が備わります。自ら学習して自分よりも優れた仲間を作ります。その仲間はさらに優れた仲間を作り・・・・、そして人類の知能を超える人工知能が生まれます。2045年ごろ第一号機が出ると予測されています。


 「30年後には人知をはるかに超え、人間はコンピュータに従属する。これは人類史上最大の事件だ」と心配する学者がいます。高度な知能が、優しい感情、愛、を持っていなかったら恐ろしいことで、我々はこのコンピュータをうまく制御できるのか、という心配です。


 一方、「脳のデジタル信号をすべて取り出してコンピュータにとり込めるならば肉体は無くてもよい。当然、病気も無く、永遠に、神のごとき存在となる。それが自分の理想だ」と主張する人もいます。ネズミの脳の電気信号を他のネズミに移す実験は一部成功しています。


 すでに米国のグーグル社はロボット開発会社を次々に買収し、量子コンピユータなどの研究に莫大な資金を投じています。IBM、Apple、Microsoft、その他にも鵜の目鷹の目の企業が沢山あります。


 この分野では優れている日本も、今のうちに開発を進めないとすべての産業が大打撃を受けます。何しろ人間以上の知能が自動的に進歩を続けるのですから遅れたら追いつけません。日本の重電家電メーカーやソフトバンク、楽天などの企業、大学、研究所は手をつないで頑張ってください。


沼田医院 沼田 宣雄 先生

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